犬猫の往診を初めて利用するときの流れ|予約から診察当日まで獣医師が解説

「犬猫の往診をお願いしたいけれど、どうやって予約するの?」

「問い合わせをするときには、何を伝えればいい?」

「往診当日は、何か準備しておいた方がいいの?」

初めて往診を利用するときには、分からないことも多いと思います。

動物病院であれば、

「受付をして、待合室で待って、診察室へ入る」

という流れをイメージしやすいかもしれません。

一方、往診は獣医師がご自宅へ伺うため、

「最初に何をすればいいのか分からない」

という飼い主さんもいらっしゃいます。

往診の予約方法や診察までの流れは、往診を行っている獣医師や施設によって異なります。

今回は、初めて犬猫の往診を検討している方に向けて、

  • 往診を依頼するときに伝えること
  • 予約前に確認しておくとよいこと
  • 写真や動画が役立つケース
  • 往診当日までに準備しておくもの
  • 当日の診察の流れ
  • 往診を待たずに動物病院を受診した方がよい場合

について、獣医師の立場から分かりやすくお伝えします。

犬猫の往診は、まず問い合わせ・予約から始まります

往診をお願いしたいと思ったら、まず往診を行っている動物病院や獣医師へ連絡します。

予約方法は、

  • 電話
  • LINE
  • メール
  • 予約フォーム

など、施設によって異なります。

福岡犬猫往診クリニックでは、往診についてのご相談・ご予約を往診専用LINEで受け付けています。

最初の段階で、

「往診をお願いできる状態なのか分からない」

「本当に往診が必要なのか迷っている」

という場合もあると思います。

そのような場合でも、まず現在の状況を伝えて相談することができます。

最初の問い合わせでは何を伝えればいい?

往診を相談するときに、

「きちんと症状を説明できるかな」

と心配される方もいらっしゃいます。

最初からすべてを医学的に説明する必要はありません。

分かる範囲で、

  • 犬か猫か
  • 年齢
  • 現在困っている症状
  • 症状が始まった時期
  • 現在治療中の病気
  • 飲んでいる薬
  • 食事や水がとれているか
  • 自分で立ったり歩いたりできるか
  • お住まいの地域

などを伝えると、状況を把握しやすくなります。

たとえば、

「15歳の犬です。昨日から食事をほとんど食べず、今日は立つこともつらそうです」

というような伝え方でも構いません。

飼い主さんが感じている、

「いつもと何か違う」

という変化も大切な情報です。

いつから・どのくらい・どう変わったかを確認しておきましょう

症状について伝えるときには、

「いつから」
「どのくらい」
「普段と比べてどう違うか」

の3つを意識すると分かりやすくなります。

たとえば嘔吐であれば、

「昨日から3回吐いている」

「今朝から水を飲んでも吐いてしまう」

というように、時間や回数が分かると参考になります。

下痢であれば、

「少し軟らかい程度なのか」

「水のような便なのか」

「血が混じっているのか」

なども確認しておくとよいでしょう。

すべて正確に覚えていなくても構いません。

分かる範囲で大丈夫です。

写真や動画が診察の参考になることがあります

文章だけでは伝えにくい症状の場合には、写真や動画が役立つことがあります。

たとえば、

  • 歩き方がおかしい
  • 咳のような症状がある
  • 呼吸の様子がいつもと違う
  • 震えている
  • 発作のような症状があった
  • 嘔吐や便の状態を見てほしい
  • 皮膚にできものや赤みがある

といった場合です。

症状が出ている瞬間は、獣医師が到着したときには治まっていることもあります。

そのため、安全に撮影できる状況であれば、写真や短い動画を残しておくと診察の参考になる場合があります。

ただし、撮影することよりも犬猫の安全を優先してください。

呼吸が苦しそう、意識がおかしい、けいれんが続いているなど緊急性が高い場合には、動画撮影を優先せず、すぐに動物病院や獣医師へ連絡してください。

かかりつけ医がいる場合は、これまでの情報も伝えてください

普段通っている動物病院がある場合には、そのことも往診をお願いする獣医師へ伝えてください。

特に、

  • 診断されている病気
  • 最近の血液検査結果
  • レントゲンや超音波検査の結果
  • 過去の手術歴
  • 現在飲んでいる薬
  • これまで行ってきた治療

などは大切な情報になります。

手元に検査結果やお薬の袋があれば、往診当日に確認できるよう準備しておくとよいでしょう。

スマートフォンに検査結果の写真を保存している場合は、それを見せていただいても参考になります。

状況を確認したあと、往診日時を相談します

問い合わせ時に現在の状態を確認し、往診での対応が可能と判断した場合には、訪問する日時を相談します。

往診は、一般的な動物病院の診察と違い、

獣医師がそれぞれのご家庭へ移動しながら診療する

という特徴があります。

そのため、希望した時間に必ず予約できるとは限りません。

また、犬猫の症状や診療内容によって必要となる時間も異なります。

日程については、往診をお願いする施設と相談しながら決めていきましょう。

症状によっては往診ではなく動物病院を案内されることもあります

往診を希望して連絡したからといって、必ず往診になるとは限りません。

症状を確認した結果、

設備の整った動物病院へ直接行った方がよい

と判断される場合があります。

たとえば、

  • 呼吸が非常に苦しそう
  • 意識がない、反応がおかしい
  • けいれんが続いている
  • 大量に出血している
  • 交通事故など大きな外傷がある
  • 急激に状態が悪化している

といった場合には、検査や緊急処置をすぐに行える病院の方が適していることがあります。

「往診をお願いしたかったのに病院を勧められた」

という場合も、それは往診を断ることが目的ではありません。

今、その子に必要な医療へできるだけ早くつなげるための判断です。

往診当日までに準備しておくとよいもの

予約が決まったら、当日までにいくつか準備しておくと診察がスムーズになります。

特にあると役立つものは、

  • 現在飲んでいる薬
  • お薬の袋や説明書
  • 過去の検査結果
  • 診療明細
  • ワクチンなどの記録
  • 症状の写真や動画
  • 症状が始まった時期や回数を記録したメモ

などです。

すべて揃っていなくても問題ありません。

「検査結果はどこに置いたかな?」

と往診当日に探すことにならないよう、手元にあるものだけでも一か所にまとめておくとよいでしょう。

犬猫が普段過ごしている場所も、そのまま見せてください

往診の特徴のひとつは、その子が普段暮らしている環境を見ることができることです。

特に高齢犬や高齢猫、在宅療養中の子では、

  • どこで寝ているのか
  • 食事や水はどこに置いているのか
  • トイレまで自分で移動できるのか
  • 床は滑りやすくないか
  • どのように介護しているのか

といったことが参考になる場合があります。

そのため、

「先生が来るから、普段とは違う部屋へ移動させなければ」

と考える必要はありません。

むしろ、普段どのように過ごしているのかを確認できることが、往診では役立つ場合があります。

診察しやすい場所を少し確保しておくと安心です

普段の生活環境を見せていただく一方で、身体を診察するときには少しスペースが必要になることがあります。

犬猫を無理に別の場所へ移動させる必要はありませんが、可能であれば、

  • 犬猫の周りの物を少し片づけておく
  • 明るさを確保する
  • 診察に必要な道具を置けるスペースを作る

などをしていただくと、診察がスムーズになる場合があります。

ただし、大型犬や寝たきりの子など、移動そのものに負担がかかる場合には無理に動かさないでください。

その子が普段過ごしている場所で診察できることも、往診の良さのひとつです。

猫の場合は「隠れてしまう」ことも考えておきましょう

知らない人が自宅へ入ってくると、猫が驚いて家具の下や別の部屋へ隠れてしまうことがあります。

往診の時間が近づいたら、可能であれば、

猫が家の中で見つからなくならないよう、安全な範囲で居場所を把握しておく

と診察がスムーズです。

ただし、無理やり捕まえたり、追い回したりすると強いストレスになる場合があります。

普段の性格や、

「知らない人が来ると必ず隠れます」

「抱っこが苦手です」

といったことも、予約時や診察前に獣医師へ伝えてください。

犬の場合は性格についても伝えてください

犬の場合も、

「知らない人が苦手」

「男性が苦手」

「体を触られると怒ることがある」

「過去に人を咬んだことがある」

などがあれば、事前に伝えてください。

これは犬を「怖い犬」と判断するためではありません。

犬・飼い主さん・獣医師の全員が安全に診察するために必要な情報です。

普段の性格を事前に知っていることで、接し方や診察方法を工夫できる場合があります。

往診当日は、まず飼い主さんからお話を伺います

予約した日時に獣医師がご自宅へ伺ったら、まず現在の状態について確認します。

たとえば、

「いつから症状が出ているのか」

「普段と比べて何が変わったのか」

「食事や水はとれているのか」

「排尿・排便はどうか」

「これまでどのような治療を受けてきたのか」

などを伺います。

そして身体の状態を診察し、必要に応じて、ご自宅で可能な検査や治療について考えます。

往診だからといって、

「先生が来て簡単に様子を見るだけ」

というわけではありません。

診察したうえで、その子に必要な対応を考えていきます。

診察後は、今後の対応について確認しましょう

診察が終わったら、

  • 現在どのような状態なのか
  • 自宅では何に注意すればいいのか
  • 薬はどのように使うのか
  • 次はいつ診察が必要なのか
  • どのような変化があれば連絡するのか
  • 動物病院での検査が必要なのか

などを確認しておきましょう。

分からないことがあれば、遠慮せず質問してください。

特にお薬が出た場合には、

「いつ・どれくらい・どのように使うのか」

を確認しておくことが大切です。

説明を聞きながらメモを取っても構いません。

初めての往診で「うまく説明しなきゃ」と思わなくても大丈夫です

初めて往診をお願いするときには、

「何から説明すればいいんだろう」

「ちゃんと症状を伝えられるかな」

と不安になることもあると思います。

ですが、最初からすべて整理して話す必要はありません。

まず、

「何に困っているのか」

を伝えてください。

そこから必要なことを確認していきます。

飼い主さんにとっては、

「なんとなく昨日からいつもと違う」

という感覚でも、診察を考えるうえで大切な情報になることがあります。

毎日一緒に暮らしているからこそ気づける変化を、そのまま伝えていただければと思います。

初めて往診を利用するときは「事前の情報」が大切です

往診では、獣医師が犬猫のいるご自宅へ伺います。

だからこそ、訪問する前に、

どのような子なのか。

どのような症状なのか。

どのくらい緊急性がありそうなのか。

どのような診療が必要になりそうなのか。

をある程度把握しておくことが大切になります。

飼い主さんが完璧に説明する必要はありません。

分かる範囲で今の状態を伝え、

検査結果やお薬など、手元にある情報を準備する。

それだけでも、診察をスムーズに進める助けになります。

往診という診療方法を知っておくことで、

高齢になったとき。

通院が難しくなったとき。

ご自宅で療養することになったとき。

「病院へ連れて行けないから、もう診てもらえない」

ではなく、別の選択肢を考えることができます。

大切なわが子にとって、そのとき必要な診療方法を選ぶためのひとつの方法として、往診について知っておいていただけたらと思います。

福岡市で犬猫の往診を初めてご利用になる方へ

福岡犬猫往診クリニックでは、福岡市を中心に犬猫の往診を行っています。

往診についてのご相談・ご予約は、往診専用LINEで受け付けています。

最初のご連絡では、分かる範囲で現在の症状や年齢、お住まいの地域などをお知らせください。

▼往診についてのご相談・ご予約はこちら
https://lin.ee/P5x6bjfZ

ご連絡いただいた内容を確認し、往診での対応が可能かどうかを含めてご案内いたします。

福岡犬猫往診クリニック
獣医師 かわの わいちろう


※この記事は、犬猫の往診を初めて利用する際の一般的な流れについてお伝えするものです。予約方法・診療内容・対応範囲は、往診を行う動物病院や獣医師によって異なります。また、緊急性の高い症状では、往診ではなく設備の整った動物病院への受診が必要になる場合があります。

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