「本当はもっと聞きたいことがあった」
「先生が忙しそうで、質問するのを遠慮してしまった」
「家に帰ってから、聞き忘れていたことに気づいた」
犬や猫の診察を受けたあと、このように感じたことはありませんか?
動物病院では、
症状について説明する。
獣医師から検査結果を聞く。
病名について説明を受ける。
治療方法を決める。
お薬について聞く。
今後について説明を受ける。
など、短い時間の中で多くの情報をやり取りします。
特に大切な犬や猫が病気になっている時には、飼い主さん自身も不安になっています。
その場では、
「分かりました」
と答えたけれど、帰宅してから、
「この薬は何のためだった?」
「どんな症状が出たら病院へ連絡するんだろう」
「いつまで治療を続けるんだろう」
と新しい疑問が出てくることもあります。
今回は、
- なぜ診察室では質問できなくなるのか
- 次の診察前に準備しておきたいこと
- 獣医師に聞いておきたい質問
- 検査結果を説明された時に確認したいこと
- お薬について聞いておきたいこと
- 「分からなかった」と言ってもよい理由
- 帰宅後に質問が出てきた時の対応
- 家族と治療方針を共有する方法
- 別の獣医師へ相談するという選択肢
- 通院が難しい場合の往診
について、獣医師の立場からお伝えします。
- 診察室で聞きたいことを聞けないのは珍しいことではありません
- 「こんなこと聞いたら失礼かな」と遠慮しなくて大丈夫です
- 次の診察前に「聞きたいことメモ」を作っておきましょう
- 質問は「一番聞きたいこと」から順番に
- 診断について分からない時に聞きたい質問
- 検査結果について聞いておきたいこと
- 治療について聞いておきたいこと
- お薬について聞いておきたいこと
- 「もう一度説明してもらえますか?」と言っても大丈夫です
- 自分の言葉で確認してみる方法もあります
- 「次に何が起きたら連絡する?」を必ず確認しておきましょう
- 帰宅してから疑問が出てきた時はどうする?
- インターネットで調べる時にも注意が必要です
- 家族が一緒に説明を聞く方法もあります
- 診察前に「最近の変化」を簡単にまとめておくと伝えやすくなります
- 写真や動画を見せる方法もあります
- 今の治療について別の獣医師へ相談することもできます
- 「もう一度説明を聞きたい」だけでも相談内容になります
- 通院が難しい場合には往診で相談できることがあります
- ご自宅だからこそ家族でゆっくり話せる場合もあります
- 往診を利用しても、かかりつけ医を変える必要はありません
- 「聞きたいことを聞けなかった」を、そのままにしないでください
- 福岡市で犬猫の治療についてゆっくり相談したい方へ
診察室で聞きたいことを聞けないのは珍しいことではありません
診察室では、普段とは違う環境の中で多くのことを考えなければなりません。
犬が落ち着かない。
猫がキャリーの中で怖がっている。
獣医師の説明を聞かなければならない。
検査結果が心配。
治療費も気になる。
このあとどうすればよいか考えなければならない。
こうしたことが重なると、聞きたいことがあっても頭から抜けてしまうことがあります。
特に、
思っていたより重い病気だった。
手術をすすめられた。
新しい病名を聞いた。
これから長く治療が必要だと言われた。
という時には、一度にすべてを理解することは簡単ではありません。
そのため、
診察室ですべて質問できなかったからといって、それだけで治療について理解できていない飼い主さんということではありません。
あとから疑問が出てくることも含めて、診療の中で情報を整理していけばよいと思います。
「こんなこと聞いたら失礼かな」と遠慮しなくて大丈夫です
飼い主さんから、
「先生を疑っていると思われたくない」
「何度も聞いたら迷惑かな」
「こんな基本的なことを聞くのは恥ずかしい」
というお話を聞くことがあります。
ですが、
分からないことを確認することは、治療を続けるためにとても大切です。
たとえば、
「この薬は何のために飲んでいるのですか?」
「この検査の数字は何を意味していますか?」
「この治療をすると何が良くなるのですか?」
という質問は、決して失礼なものではありません。
治療内容を理解できれば、
自宅で何を観察すればよいのか。
薬をなぜ続ける必要があるのか。
どのような時に再診が必要なのか。
が分かりやすくなります。
次の診察前に「聞きたいことメモ」を作っておきましょう
診察室で質問を忘れてしまう場合には、事前にスマートフォンや紙へメモしておく方法がおすすめです。
たとえば、
今日聞きたいこと
- 今飲んでいる薬はいつまで続ける?
- 食欲が落ちたらどうすればいい?
- 次の血液検査はいつ?
という程度で構いません。
長い文章を書く必要はありません。
むしろ、診察中にすぐ確認できるように、短く書いておく方が便利です。
診察が始まった時に、
「今日、聞きたいことを3つメモしてきました」
と伝えてもよいと思います。
そうすれば、診察の最後に質問し忘れることを減らせます。
質問は「一番聞きたいこと」から順番に
聞きたいことがたくさんある場合には、優先順位をつけておきましょう。
たとえば、
絶対に今日聞きたいこと
時間があれば聞きたいこと
に分けておく方法です。
特に重要なのは、
今の治療に関すること。
自宅で気をつけること。
悪化した時の対応。
次回の診察について。
などです。
質問が10個ある場合でも、
「まずこの3つだけは聞きたい」
と決めておけば、診察時間が限られていても大切なことを確認しやすくなります。
診断について分からない時に聞きたい質問
病名を聞いても、
「初めて聞く病気で、よく分からない」
ということがあります。
そのような時には、
- どのような病気ですか?
- 何が原因で起こりますか?
- どの検査からこの病気だと判断したのですか?
- 今どの程度の状態ですか?
- 今後どのような変化が考えられますか?
などを聞いてみてください。
病名を覚えることよりも、
「今、この子の身体で何が起きているのか」
を理解することが大切です。
聞き慣れない病名の場合には、紙やスマートフォンへ病名を書いてもらう方法もあります。
検査結果について聞いておきたいこと
血液検査などの結果を説明されると、
数字や専門用語がたくさん出てくることがあります。
すべての数値を自分で理解する必要はありません。
まず、
「今回、一番重要な変化はどこですか?」
と聞いてみると分かりやすくなります。
さらに、
- 前回と比べて良くなっていますか?
- 悪くなっていますか?
- この数値は何を表していますか?
- この結果で治療は変わりますか?
- 次はいつ検査しますか?
なども確認できます。
検査結果を紙でもらえる場合には、保管しておくことをおすすめします。
今後、別の動物病院や往診を利用する際にも大切な情報になります。
治療について聞いておきたいこと
治療を提案された時には、
「何をする治療か」だけではなく、「何のためにするのか」
を確認してみてください。
たとえば、
- この治療の目的は何ですか?
- どのような効果を期待していますか?
- どのくらい続けますか?
- 効果が出ているかは何で判断しますか?
- ほかの治療方法はありますか?
- この治療をしなかった場合はどうなりますか?
といった質問です。
治療方法を理解することで、
「なぜこれを続けているのか」
が分かりやすくなります。
お薬について聞いておきたいこと
毎日のお薬は、自宅で飼い主さんが管理することになります。
そのため、処方された時には、
- 何のための薬か
- 1回にどのくらい飲ませるか
- 1日何回か
- 食事と一緒でよいか
- いつまで続けるのか
- 飲ませられなかった時はどうするか
- 吐いた場合はどうするか
- 気をつけたい副作用はあるか
などを確認しておくと安心です。
複数のお薬がある場合には、
薬袋を捨てずに保管しておく
ことをおすすめします。
スマートフォンで薬袋の写真を撮っておく方法でも構いません。
「もう一度説明してもらえますか?」と言っても大丈夫です
獣医師から説明を聞いた時、
「何となく分かったけれど、完全には理解できていない」
ということもあります。
その場合には、
「すみません、もう一度説明してもらえますか?」
と伝えて構いません。
また、
「専門用語が難しいので、もう少し簡単に説明してもらえますか?」
と聞く方法もあります。
分かったふりをして帰宅し、その後ずっと不安になるよりも、確認しておく方が治療を続けやすくなります。
自分の言葉で確認してみる方法もあります
説明を聞いたあと、
「つまり、○○という理解で合っていますか?」
と自分の言葉で確認する方法もあります。
たとえば、
「つまり、今は薬で症状を抑えながら、1か月後にもう一度血液検査をするということですか?」
という形です。
自分が理解している内容と、獣医師が説明した内容にずれがないか確認できます。
特に治療方法が複数ある時や、自宅での管理が必要な病気では役立ちます。
「次に何が起きたら連絡する?」を必ず確認しておきましょう
診察を受けたあと、自宅で一番迷いやすいのが、
「どこまで様子を見ていい?」
ということです。
そのため、
- どの症状が出たら連絡する?
- どのくらい食べなかったら受診する?
- 嘔吐が何回続いたら相談する?
- 呼吸について気をつける変化は?
- 夜間に悪化したらどこへ相談する?
などを確認しておくと安心です。
さらに、
「次の診察までに、自宅で一番見てほしいことは何ですか?」
と聞くのもおすすめです。
観察するポイントが明確になります。
帰宅してから疑問が出てきた時はどうする?
診察が終わって落ち着いてから、
「あれを聞き忘れた」
ということはあります。
まずは、かかりつけの動物病院へ問い合わせ可能か確認してみてください。
病院によって、
電話で質問できる。
再診時に確認する。
メールやアプリなどで問い合わせできる。
など対応方法は異なります。
緊急ではない質問であれば、次の再診時に聞けるようにメモしておく方法もあります。
一方、
薬の量を間違えた。
薬を飲んだあと急に体調が変化した。
呼吸がおかしい。
意識がおかしい。
などの場合には、次回まで待たず早めに相談してください。
インターネットで調べる時にも注意が必要です
聞きたいことを聞けなかった時、家に帰ってインターネットで調べる方も多いと思います。
インターネットには役立つ情報もあります。
一方、
同じ病名でも重症度が違う。
犬と猫では治療が違う。
薬の種類や量が違う。
持病によって対応が異なる。
など、目の前の犬猫にはそのまま当てはまらない情報もあります。
ネットで見つけた情報について不安になった場合には、
「ネットでこのようなことを読んだのですが、この子の場合はどうですか?」
と獣医師へ聞いてみてください。
家族が一緒に説明を聞く方法もあります
大きな治療方針を決める時には、一人で説明を聞くことが負担になることがあります。
可能であれば、
家族にも一緒に診察へ来てもらう。
帰宅後に検査結果を家族と共有する。
質問事項を家族で事前にまとめる。
といった方法があります。
一緒に話を聞けば、
「先生はこう説明していたよ」
とお互いに確認できます。
特に、
手術。
長期治療。
介護。
在宅療養。
などについて家族で決める必要がある場合には、情報を共有することが大切です。
診察前に「最近の変化」を簡単にまとめておくと伝えやすくなります
質問だけでなく、獣医師へ伝えたいことも整理しておくと診察がスムーズです。
たとえば、
1週間前から食欲低下
3日前から嘔吐が1日1回
水は飲めている
尿は普段通り
という程度です。
さらに、
食欲。
飲水量。
排泄。
嘔吐。
下痢。
体重。
歩き方。
呼吸。
睡眠。
など、気になる変化があればメモしておきます。
獣医師が病気の経過を把握するためにも役立ちます。
写真や動画を見せる方法もあります
自宅でしか起こらない症状は、言葉だけでは説明しづらいことがあります。
たとえば、
咳のような症状。
呼吸の様子。
歩き方。
発作。
夜鳴き。
徘徊。
食事中の様子。
などです。
安全に撮影できる状況であれば、スマートフォンで短い動画を撮って診察時に見せる方法があります。
ただし、呼吸困難や長く続くけいれんなど緊急性が高い場合には、撮影より受診を優先してください。
今の治療について別の獣医師へ相談することもできます
かかりつけ医へ質問し直しても、
まだ治療について迷っている。
別の治療方法についても知りたい。
もう一人の獣医師の考えを聞きたい。
という場合には、セカンドオピニオンという方法があります。
セカンドオピニオンは、
現在の主治医を否定するためのものではありません。
今の治療について理解を深めたり、別の視点から意見を聞いたりして、ご家族が納得して治療を選ぶための方法です。
相談する場合には、
検査結果。
現在のお薬。
診療明細。
これまでの治療経過。
などがあると役立ちます。
「もう一度説明を聞きたい」だけでも相談内容になります
別の獣医師へ相談すると聞くと、
「今の治療に反対している人が利用するもの」
と思うかもしれません。
ですが、
「今の治療の意味をもう一度整理したい」
「検査結果をもっと理解したい」
という相談もあります。
別の獣医師から説明を聞いた結果、
「今の治療をそのまま続けてよいと思います」
という結論になることもあります。
それでも、
なぜその治療が必要なのか。
何を目指しているのか。
が理解できれば、飼い主さんが納得して治療を続けやすくなることがあります。
通院が難しい場合には往診で相談できることがあります
聞きたいことがあるけれど、
高齢で病院へ連れて行くことが難しい。
寝たきりになっている。
大型犬で移動できない。
病院へ行くと非常に疲れてしまう。
という場合には、往診で相談できることがあります。
往診では、ご自宅で犬猫の身体の状態を確認しながら、
現在の診断。
検査結果。
治療。
お薬。
普段の生活。
ご家族が困っていること。
などを一緒に整理します。
ご自宅だからこそ家族でゆっくり話せる場合もあります
往診では、普段生活しているご自宅でお話を伺います。
そのため、
ご家族も一緒に説明を聞く。
犬猫が普段どのように過ごしているか確認する。
実際の介護環境を見る。
といったことができます。
特に、
「病院ではうまく話せなかった」
「家族とも治療方針について話し合いたい」
という場合には、ご自宅で相談することが選択肢になることがあります。
往診を利用しても、かかりつけ医を変える必要はありません
往診で別の獣医師へ相談したあとも、これまでのかかりつけ医で治療を続けることができます。
たとえば、
定期検査や専門的な治療は、かかりつけの動物病院。
自宅での生活や介護については、往診。
という使い分けもできます。
治療について分からないことを整理するために、別の獣医師の意見を聞くこともひとつの方法です。
「聞きたいことを聞けなかった」を、そのままにしないでください
大切な犬や猫の病気について、
「聞きたいことがあったのに聞けなかった」
という経験は珍しいものではありません。
だからこそ、
次の診察ではメモを持って行く。
一番聞きたいことから質問する。
分からなければもう一度説明をお願いする。
自分の言葉で理解を確認する。
悪化した時の目安を聞く。
検査結果や薬を記録しておく。
という工夫をしてみてください。
そして、それでも不安が残る時には、別の獣医師へ相談する方法もあります。
大切なのは、
質問することそのものではなく、ご家族が治療を理解し、納得して大切な子の医療に関われること
だと思っています。
福岡市で犬猫の治療についてゆっくり相談したい方へ
福岡犬猫往診クリニックでは、福岡市を中心に犬猫の往診を行っています。
「かかりつけの病院で聞きたいことを聞けなかった」
「検査結果についてもう一度説明を聞きたい」
「今の治療について別の獣医師にも相談したい」
という場合には、往診専用LINEからご相談いただけます。
現在治療中の場合には、
検査結果。
現在のお薬。
診療明細。
これまでの治療内容が分かる資料。
などをご準備いただくと、相談がスムーズです。
▼往診についてのご相談はこちら
https://lin.ee/P5x6bjfZ
犬猫の状態や相談内容によっては、かかりつけの動物病院や専門施設での診療・追加検査をご案内する場合があります。
福岡犬猫往診クリニック
獣医師 かわの わいちろう
※この記事は、動物病院での質問の準備や、治療について別の獣医師へ相談する方法について一般的な情報をお伝えするものです。診断や治療について不明な点がある場合には、まず現在診療を担当している獣医師へ確認してください。緊急性の高い症状がある場合には、質問やセカンドオピニオンより速やかな診察・治療を優先してください。
参考情報
- AAHA「Tips for Efficient Wellness Visits」
- AAHA「How We Say It Matters: Relationship-Based Communication Gets the Best Outcomes」
- AAHA「The Team Approach」

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