車がない・運転できない時に犬猫を動物病院へ連れて行く方法|通院手段と往診を獣医師が解説

「動物病院へ連れて行きたいけれど、車を持っていない」

「運転ができないので、犬を病院へ連れて行くだけでも大変」

「以前は通院できていたけれど、大型犬を車に乗せることが難しくなってきた」

犬や猫に診察が必要だと分かっていても、移動手段の問題で動物病院へ行くことが難しい場合があります。

動物病院への通院には、診察そのものだけではなく、

犬猫を安全に移動させる。

キャリーを持つ。

車へ乗せる。

病院まで移動する。

診察後に再び自宅へ連れて帰る。

という一連の移動が必要です。

特に、

高齢の犬猫。

大型犬。

寝たきりの子。

病院や車を強く怖がる子。

飼い主さん一人では抱き上げることが難しい子。

などでは、「病院へ行く」ということ自体が大きな負担になることがあります。

今回は、

  • 車がない時に考えられる犬猫の通院方法
  • 移動手段を選ぶ時に確認したいこと
  • タクシーなどを利用する時の準備
  • 犬猫を安全に移動させるポイント
  • 大型犬や高齢犬猫の場合
  • 飼い主さん一人では移動が難しい場合
  • 往診という選択肢
  • 緊急時に気をつけたいこと

について、獣医師の立場からお伝えします。

車がないと、犬猫の通院が難しくなることがあります

動物病院は、人の病院とは少し事情が違います。

犬や猫を連れて移動しなければならないため、

「電車やバスを使えば簡単に行ける」

とは限りません。

たとえば猫の場合には、キャリーケースに入れて安全に移動する必要があります。

小型犬でも、体調が悪い時には歩かせることが難しく、キャリーなどが必要になることがあります。

大型犬の場合には、そもそも公共交通機関での移動が現実的ではないこともあります。

さらに、

「行きは家族に送ってもらえたけれど、帰りの手段がない」

「診察が何時に終わるか分からない」

といった問題もあります。

そのため、車を利用できないご家庭では、犬猫の体調が悪くなってから初めて移動方法を考えるのではなく、元気な時に通院方法をいくつか考えておくことも大切です。

車がない時に考えられる通院方法

犬猫を動物病院へ連れて行く方法としては、いくつか考えられます。

たとえば、

  • 家族や知人に送迎をお願いする
  • ペット同伴が可能なタクシーなどを利用する
  • ペットの送迎サービスを利用する
  • 条件を確認したうえで公共交通機関を利用する
  • 獣医師に自宅へ来てもらう往診を利用する

などです。

どの方法が適しているかは、

犬猫の大きさ。

体調。

性格。

飼い主さんの状況。

病院までの距離。

必要な診療内容。

によって異なります。

また、交通機関やタクシー会社などによって、ペットを同伴する際のルールは異なります。

利用する場合には、事前にその事業者へ確認しておくことをおすすめします。

移動方法を決める時は「犬猫の状態」を最優先に

移動方法を考える時に最も大切なのは、

その方法で安全に病院まで移動できる状態なのか

ということです。

たとえば、

少し食欲が落ちているけれど歩けている犬と、

呼吸が苦しく、自分で立つことも難しい犬では、適した移動方法は同じではありません。

また、

キャリーの中で落ち着いて過ごせる猫と、

キャリーに入るだけで激しくパニックになる猫でも状況が異なります。

単に、

「一番安い方法」

「一番簡単な方法」

だけで決めるのではなく、

犬猫の安全と負担を考えて移動方法を選ぶことが大切です。

タクシーなどを利用する場合は事前確認を

車を持っていない場合、タクシーなどを考える方もいらっしゃると思います。

ただし、ペットを乗せられるかどうか、どのような状態で乗せる必要があるかは、事業者によって異なります。

そのため、

「当日タクシーを呼べば何とかなる」

と考えず、

  • 犬や猫を同伴できるか
  • キャリーが必要か
  • 大型犬でも対応できるか
  • 予約が必要か

などをあらかじめ確認しておくと安心です。

特に大型犬の場合には、対応できる車両が限られることがあります。

普段から利用できそうなサービスを調べておくと、急な通院時にも慌てにくくなります。

猫は安全なキャリーに入れて移動しましょう

猫を移動させる時には、基本的に安全なキャリーケースを使用します。

猫は普段落ち着いている子でも、自宅の外へ出ると急に驚いて逃げようとすることがあります。

「抱っこできるから大丈夫」

と思っていても、車の音や人の声、知らない場所に驚き、腕から飛び出してしまう危険があります。

キャリーは、

  • 猫が中で向きを変えられる
  • 十分に換気できる
  • 簡単に開かない
  • 安定して運べる
  • 掃除しやすい

ものを選びましょう。

また、病院へ行く時だけキャリーを出すと、

「キャリー=怖い病院へ行くもの」

と覚えてしまう猫もいます。

可能であれば普段から部屋に置き、毛布やお気に入りの物を入れて、安心できる場所として慣らしておく方法もあります。

車で移動する場合も犬猫を自由にさせないように

家族の車や送迎サービスなどを利用する場合にも、安全な移動を心がけてください。

猫はキャリーを車内で安定させ、移動中に大きく揺れたり倒れたりしないようにします。

犬も、車内を自由に歩き回らせるのではなく、

  • キャリーやクレート
  • 適切なハーネス
  • 車内で安全に固定できる方法

など、その子の体格に合わせた方法を考えましょう。

急ブレーキや事故だけではなく、車のドアを開けた瞬間に飛び出してしまう危険もあります。

「普段おとなしいから大丈夫」ではなく、移動中は安全を優先することが大切です。

高齢犬・高齢猫では「移動そのもの」が負担になることも

高齢の犬猫では、

若い頃には問題なくできていた移動が難しくなることがあります。

たとえば、

  • 足腰が弱くなった
  • 車へ自分で乗れなくなった
  • 長時間キャリーにいることがつらくなった
  • 少しの移動でも疲れやすくなった
  • 通院後に長時間ぐったりするようになった

といった変化です。

そのような時には、

「以前できていたから、今回も同じ方法で」

と考えず、現在の身体の状態に合わせて通院方法を見直してみてください。

病院によっては、待ち時間を減らす方法などを相談できることもあります。

また、通院そのものが大きな負担になっている場合には、往診を検討することもできます。

大型犬は「病院まで運べるか」が大きな問題になることがあります

大型犬が高齢になったり、自分で立てなくなったりすると、通院が非常に難しくなることがあります。

若い頃であれば自分で車へ乗れていた子でも、

足腰が弱くなった。

寝たきりになった。

痛みで身体を動かせない。

という状態になると、ご家族だけでは車へ乗せられないことがあります。

無理に抱き上げようとすると、

犬の身体に負担がかかるだけではなく、飼い主さん自身が腰などを痛めてしまう可能性もあります。

大型犬を動かす必要がある場合には、身体の状態に応じた安全な移動方法について獣医師へ相談してください。

「運べないから診てもらえない」ではなく、往診という方法が適していることもあります。

飼い主さん自身の事情で通院が難しいこともあります

通院の難しさは、犬や猫の状態だけで決まるものではありません。

飼い主さん自身が、

運転をしない。

車を所有していない。

体力的にキャリーを運ぶことが難しい。

一人では大型犬を移動できない。

一緒に通院を手伝ってくれる人がいない。

などの理由で、動物病院へ行くことが難しい場合もあります。

犬猫と暮らす期間は長く、生活環境も少しずつ変化していきます。

以前は家族に送迎してもらえていたけれど、今は難しい。

以前は自分で運べたけれど、今は体力的に大変。

ということもあります。

そのような時にも、

「動物病院へ連れて行くことだけが診察を受ける方法ではない」

ということを知っておいていただけたらと思います。

元気な時に「通院できない時の方法」を考えておきましょう

犬や猫が急に体調を崩した時には、飼い主さん自身も不安になります。

その状態で、

「どうやって病院へ連れて行こう?」

「タクシーは乗せてもらえる?」

「家族は今来られる?」

と一から調べるのは大変です。

だからこそ、元気な時に、

  • かかりつけの動物病院までどう行くか
  • 家族の送迎を頼めるか
  • 利用できる移動サービスがあるか
  • 夜間や休日はどこへ相談するか
  • 往診を利用できる地域か

などを確認しておくことをおすすめします。

特に、高齢犬・高齢猫や持病がある子と暮らしている場合には、急変した時の移動方法を家族で共有しておくと安心です。

車がなくても「往診」という方法があります

犬猫を病院まで連れて行くことが難しい場合には、獣医師がご自宅へ伺う往診という方法があります。

往診では、犬や猫が普段暮らしている場所で身体の状態を確認します。

その子の状態や往診施設の設備によっては、

  • 身体検査
  • 一部の検査
  • 注射などの治療
  • お薬の処方
  • 在宅療養についての相談

などを行える場合があります。

車へ乗せる必要がないため、

高齢の子。

寝たきりの子。

大型犬。

通院による負担が大きい子。

飼い主さんだけでは移動させることが難しい子。

などでは、往診が選択肢になることがあります。

かかりつけの動物病院があっても往診を併用できます

普段診てもらっている動物病院がある場合でも、往診を組み合わせることがあります。

たとえば、

家族が送迎できる日は、かかりつけの動物病院へ。

移動が難しい日は、往診で状態を確認。

という使い分けです。

また、

詳しい検査は動物病院。

在宅療養中の状態確認は往診。

という方法もあります。

往診を利用するからといって、これまでのかかりつけ医との関係を終わらせる必要はありません。

むしろ、

その時の犬猫の状態と、ご家庭の状況に合わせて診療方法を組み合わせる

という考え方があります。

往診ですべての検査・治療ができるわけではありません

往診は便利な方法ですが、動物病院とまったく同じ設備があるわけではありません。

たとえば、

  • レントゲンなど設備を必要とする検査
  • 手術
  • 入院管理
  • 集中的な治療
  • 緊急処置

などは、動物病院での診療が必要になることがあります。

そのため、

「車がないから、どんな状態でも往診で」

と決めるのではなく、犬猫の状態に合わせて判断することが大切です。

往診で診察した結果、動物病院での詳しい検査や治療をおすすめする場合もあります。

緊急時は「移動手段を探してから相談」ではなく、まず連絡を

特に注意していただきたいのが緊急時です。

たとえば、

  • 呼吸が非常に苦しそう
  • 意識がない、反応がおかしい
  • けいれんが続いている
  • 大量に出血している
  • 交通事故など大きな外傷がある
  • 急激にぐったりした
  • 誤食や中毒が疑われる

などの場合には、設備の整った動物病院で緊急の診療が必要になることがあります。

このような時には、

「車をどうしよう」

と移動手段を探すことだけに時間を使わず、まず動物病院や獣医師へ現在の状態を伝えてください。

そのうえで、

すぐに病院へ行く必要があるのか。

往診を待てる状態なのか。

どのような方法が考えられるのか。

を相談してください。

移動手段がないことを理由に、必要な診察を諦めないでください

犬や猫が体調を崩した時、

「病院へ連れて行ってあげたいのに、連れて行けない」

という状況は、飼い主さんにとってとても不安だと思います。

ですが、診察を受ける方法はひとつではありません。

家族に協力してもらう。

利用できる移動サービスを探す。

かかりつけの動物病院へ相談する。

往診を利用する。

その子の状態やご家庭の事情によって、選択肢は変わります。

大切なのは、

「車があるかどうか」ではなく、大切なわが子を必要な医療へどうつなげるか

だと思っています。

元気な時からいくつかの方法を考えておき、実際に通院が難しくなった時には、無理をせず獣医師へ相談してください。

福岡市で車がなく犬猫の通院にお困りの方へ

福岡犬猫往診クリニックでは、福岡市を中心に犬猫の往診を行っています。

「車がなく、動物病院へ連れて行くことが難しい」

「運転ができない」

「大型犬を一人では移動させられない」

「高齢になり、通院が難しくなった」

という場合には、往診専用LINEからご相談いただけます。

▼往診についてのご相談はこちら
https://lin.ee/P5x6bjfZ

犬猫の状態によっては、往診ではなく設備の整った動物病院への受診をご案内する場合があります。

福岡犬猫往診クリニック
獣医師 かわの わいちろう


※この記事は、車がない・運転できない場合の犬猫の通院方法や往診について一般的な情報をお伝えするものです。公共交通機関・タクシー・送迎サービス等の利用条件は各事業者によって異なりますので、利用前にご確認ください。犬猫の症状や緊急性によっては、往診ではなく設備の整った動物病院での診療が必要になることがあります。

参考情報

  • AAHA「Traveling Safely with Your Pet」
  • AAHA「Helping Your Cat Cope With Veterinary Visits」
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