かかりつけの動物病院があっても犬猫の往診は利用できる?併用の考え方を獣医師が解説

「ずっと診てもらっている動物病院があるけれど、往診をお願いしてもいいの?」

「往診を利用したら、今までの動物病院には通えなくなる?」

「かかりつけの先生に申し訳ない気がする……」

犬猫の往診を検討している飼い主さんの中には、このように迷われる方もいらっしゃると思います。

結論からお伝えすると、

かかりつけの動物病院があっても、往診を利用するという選択肢があります。

必ずしも、

「動物病院に通うか」

「往診だけにするか」

のどちらか一方を選ばなければならないわけではありません。

犬や猫の年齢や病状、ご家庭の状況によっては、

かかりつけの動物病院と往診を使い分けながら診療を続ける

という方法もあります。

今回は、

  • かかりつけ医がいても往診を利用できるのか
  • 動物病院と往診をどう使い分けるのか
  • 往診を利用するときに伝えておきたい情報
  • お薬や検査結果の共有が大切な理由
  • どんなときは動物病院の受診が向いているのか

について、獣医師の立場から分かりやすくお伝えします。

かかりつけ医と往診は「どちらか一方」ではありません

長く犬や猫と暮らしていると、ずっとお世話になっている動物病院がある方も多いと思います。

これまでの病気。

ワクチン。

健康診断。

血液検査。

手術。

現在飲んでいるお薬。

長く診てもらってきた獣医師だからこそ分かることは、たくさんあります。

一方で、犬や猫が年齢を重ねると、

「病院まで連れて行くのが難しくなった」

「車での移動だけでも疲れるようになった」

「寝たきりになり、家族だけで移動させることが難しい」

といった変化が起こることがあります。

そのようなとき、

かかりつけ医をやめて往診に変える

と考える必要はありません。

これまでの診療を大切にしながら、通院が難しい部分を往診で補うという考え方もできます。

たとえば、こんな使い分けがあります

かかりつけの動物病院と往診を併用する方法は、犬猫によってさまざまです。

たとえば、

定期的な詳しい検査は動物病院で。

通院が難しい日の状態確認は往診で。

という方法があります。

ほかにも、

レントゲンなど設備を必要とする検査は動物病院で。

在宅療養中の経過確認やケアは往診で。

という使い分けも考えられます。

病状が安定している時期にはご自宅で状態を確認し、

詳しい検査が必要になったときには動物病院を受診する。

このように、その子の状態に合わせて診療する場所を変えることができます。

大切なのは、

「往診か病院か」ではなく、「今この子にはどちらが必要か」

と考えることです。

高齢になって通院が負担になったときにも

若い頃には問題なく病院へ通えていた犬猫でも、年齢を重ねると状況が変わります。

たとえば大型犬の場合、

以前は自分で車へ乗れていたのに、足腰が弱って乗り降りが難しくなることがあります。

寝たきりになると、ご家族だけで安全に移動させることが難しくなる場合もあります。

猫の場合も、

キャリーケースに入ること。

車に乗ること。

知らない場所へ行くこと。

待合室で過ごすこと。

これらが大きなストレスになる子もいます。

そのようなときに、

「今まで通っていた病院へ連れて行けないから、診療を受けられない」

と考えず、往診を組み合わせるという方法があることを知っていただけたらと思います。

かかりつけ医での検査結果は、往診でも大切な情報です

往診を利用するときには、これまでの診療情報がとても役立ちます。

たとえば、

  • 血液検査の結果
  • レントゲンや超音波検査の結果
  • 診断されている病気
  • 過去の手術歴
  • 現在飲んでいる薬
  • これまで使用した薬
  • アレルギーや副作用の経験
  • 最近の治療経過

などです。

検査結果の紙やお薬の袋、診療明細などが手元にあれば、往診時に確認できるようにしておくとよいでしょう。

「昔の検査だから関係ないかな」

と思うような資料でも、治療経過を考えるうえで役立つことがあります。

お薬の情報は必ず伝えてください

特に大切なのが、現在使っているお薬の情報です。

複数の動物病院や往診を併用する場合、

「どの薬を、何のために、どれくらい飲んでいるのか」

という情報を、それぞれの獣医師が把握していることが大切です。

診察を受ける際には、

  • 薬の名前
  • 1回量
  • 1日の回数
  • いつから飲んでいるか

など、分かる範囲で伝えてください。

お薬の袋や説明書をそのまま見せても構いません。

サプリメントを使用している場合も、あわせて伝えておくとよいでしょう。

情報を共有することで、その子に必要な治療を考えやすくなります。

かかりつけ医に「往診を利用していること」を伝えた方がいい?

可能であれば、かかりつけの獣医師にも往診を利用していることを伝えておくと、診療情報を整理しやすくなります。

たとえば、

「通院が難しいときには往診を利用しています」

「自宅ではこのような治療を受けています」

と伝えておけば、次に動物病院を受診した際にも治療経過を共有しやすくなります。

反対に、往診をお願いする獣医師にも、

「普段はこちらの動物病院へ通っています」

「この病気について治療を受けています」

と伝えてください。

診療の場所が変わっても、

その子の治療はひとつながり

です。

できるだけ情報が途切れないようにすることが大切です。

「別の獣医師に診てもらうのは失礼?」と心配しなくても大丈夫

飼い主さんの中には、

「ずっと診てもらっている先生がいるのに、別の獣医師へお願いするのは申し訳ない」

と感じる方もいらっしゃいます。

ですが、往診を利用したい理由が、

「今の先生が嫌だから」

とは限りません。

高齢になった。

歩けなくなった。

移動が負担になった。

介護が必要になった。

ご家族だけでは通院が難しくなった。

生活の状況が変われば、必要となる診療方法も変わることがあります。

これまでのかかりつけ医との関係を大切にしながら、

今のその子に必要な診療方法を追加する

と考えていただいてよいと思います。

往診だけですべてを行う必要もありません

往診には、ご自宅という慣れた環境で診察を受けられる良さがあります。

一方で、動物病院には、設備があるからこそできる検査や治療があります。

たとえば、

  • レントゲンなど設備を必要とする検査
  • 全身麻酔を伴う処置
  • 手術
  • 入院管理
  • 緊急処置

などです。

そのため、

往診を利用し始めたから、今後はすべて往診で

と考える必要はありません。

ご自宅でできることは往診で。

病院設備が必要なことは動物病院で。

その子の状態に合わせて使い分けることができます。

こんなときは動物病院での受診が適している場合があります

高齢の犬猫であっても、状態によっては往診を待つより、設備の整った動物病院を受診した方がよいことがあります。

たとえば、

  • 呼吸が非常に苦しそう
  • 意識がない、反応がおかしい
  • けいれんが続いている
  • 大量に出血している
  • 急激にぐったりした
  • 交通事故など大きな外傷がある
  • 緊急の検査や処置が必要と考えられる

といった場合です。

「往診を待っても大丈夫なのか」

「すぐ病院へ連れて行った方がいいのか」

判断に迷う場合には、症状を伝えて獣医師へ相談してください。

緊急時には、診療方法よりもできるだけ早く必要な医療につなげることが大切です。

往診を利用するときに準備しておくとよいもの

初めて往診を利用する場合には、次のようなものを準備しておくと診察がスムーズです。

  • 過去の検査結果
  • 現在のお薬
  • お薬の説明書や袋
  • 診療明細
  • ワクチンの記録
  • 最近の症状を記録したメモ
  • 嘔吐や便、歩き方などの写真・動画

特に、

「病院では緊張してしまい、いつもの様子が分からなくなる」

という犬猫では、ご自宅で撮った動画が役立つことがあります。

たとえば、

普段の歩き方。

咳や呼吸の様子。

食事をしている様子。

発作のような症状。

などです。

症状が出ているときに、安全に撮影できる状況であれば、記録しておくと診察時の参考になることがあります。

複数の獣医師に診てもらうときに大切なこと

かかりつけ医と往診を併用するときに大切なのは、

**「誰に診てもらうか」だけではなく、「情報をつなぐこと」**です。

動物病院ではこの検査をした。

往診ではこの治療をした。

今はこの薬を飲んでいる。

最近はこのような症状がある。

こうした情報をできるだけ共有することで、その子の状態を把握しやすくなります。

飼い主さんがすべてを覚えておく必要はありません。

検査結果やお薬の写真をスマートフォンに保存したり、簡単なメモを残したりする方法でも構いません。

少しずつ記録しておくと、病院や往診を利用するときに役立ちます。

「かかりつけ医+往診」という選択肢を知っておいてください

犬や猫の年齢や病状は、少しずつ変化していきます。

若い頃には問題なかった通院が、高齢になって大きな負担になることもあります。

そんなとき、

「今までの動物病院へ通えなくなったから、どうしたらいいか分からない」

と悩まなくても大丈夫です。

これまで診てもらってきたかかりつけ医を大切にしながら、

通院が難しいときには往診を組み合わせる。

そのような診療の形もあります。

大切なのは、

動物病院なのか、往診なのかを決めることではありません。

今のその子にとって、どの方法が負担が少なく、必要な診療につながるのかを考えることです。

犬猫の状態はもちろん、ご家族の生活や介護の状況も含めながら、無理の少ない方法を考えていただけたらと思います。

福岡市で犬猫の往診をご検討の方へ

福岡犬猫往診クリニックでは、福岡市を中心に犬猫の往診を行っています。

かかりつけの動物病院がある場合でも、通院が難しくなったときの往診についてご相談いただけます。

「かかりつけ医がいるけれど往診も利用したい」

「今の治療を続けながら、自宅でも診てもらえる?」

といった場合には、往診専用LINEからご相談ください。

▼往診についてのご相談はこちら
https://lin.ee/P5x6bjfZ

福岡犬猫往診クリニック
獣医師 かわの わいちろう


※この記事は、犬猫の往診とかかりつけ動物病院との併用について一般的な情報をお伝えするものです。実際の診療方針や連携方法は、犬猫の状態や各動物病院・往診施設によって異なります。緊急性の高い症状がみられる場合には、設備の整った動物病院での診療が必要になることがあります。

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