もっと抱きしめればよかった、その想いが生まれる時

ペットロス

もっと抱きしめればよかった──その想いが生まれるとき

大切な存在を見送ったあと、ふとした瞬間に
「もっと抱きしめればよかった」
そんな気持ちが胸をしめつけることはありませんか。

写真を見たり、思い出の場所を通ったりしたとき、
急に涙があふれてしまう日もあるかもしれません。

この気持ちは珍しいものではなく、
多くの飼い主さんが経験する自然な心の動きだと私は思っています。


写真を見るとよみがえる後悔と、止まらない「もしも」の気持ち

あの子の姿を思い出すたび、
「ごめんね」「もっとできたかもしれない」
そんな言葉が心に浮かぶことはありませんか。

この感情は、
“忘れようとしているわけではなく、今も大切に想っている証”
ではないでしょうか。

時間が経っても薄れない気持ちがあるのは、
その存在がそれだけ大切だったということ。
後悔の気持ちは、愛情の深さとつながっているのかもしれません。


最期の時間を思い出すと涙がこぼれてしまう理由

多くの飼い主さんが話されるのは、
「最期のことを思い出すと、どうしても涙が止まらなくなる」ということ。

私自身、家族の愛犬や愛猫の旅立ちを見送った経験があるので、よく分かります。

思い出は宝物である一方で、
胸が苦しくなる瞬間を含んでいることもあります。

・もっと寄り添えばよかったのかな
・あの時、抱きしめる時間を増やせたのかな
・声をかけるタイミングが他にもあったのかもしれない

こうした気持ちは、
「精一杯向き合っていたからこそ生まれる感情」
と考える人もいます。


後悔という感情の奥にある“やさしい気持ち”

「もっとできたはずなのに」と思う自分を
責めてしまうこともありますよね。

でも、こうした気持ちは
“足りなかったからではなく、尽くしたからこそ振り返ってしまう”
という捉え方もあるのではないでしょうか。

過去を振り返るとき、
つい自分の行動を厳しく見つめてしまうのは、
あの子をどれだけ大切に想っていたかの、愛の深さ。


後悔の気持ちが教えてくれる、大切なメッセージ

「もっと抱きしめればよかった」
「もっとそばにいてあげればよかった」

こうした気持ちは、
かつて過ごした時間が、かけがえのない日々だったからこそ生まれるもの。

そして、後悔を感じるということは、
それだけ丁寧に、まっすぐに向き合ってきたということでもあります。

決して、足りなかったわけではなく、
当時のあなたが、その時その瞬間にできることをしていた。
そう感じられる日が、いつかふと訪れるかもしれません。


今日からできる“小さな心のケア”

後悔の気持ちに押しつぶされそうな日もあれば、
少しだけ心が軽くなる日もあります。

そんなときは、小さな心のケアが役に立つことがあります。

・写真にそっと声をかけてみる
・その子が好きだったものを思い浮かべる
・名前を呼んでみる
・その子と過ごした「安心できた時間」を思い出してみる

これらは、過去に戻る行為ではなく、
「思い出とともに今日を過ごす」ためのやさしい時間になります。


まとめ:後悔も涙も、愛情の深さから生まれるもの

「もっと抱きしめればよかった」
そう感じる気持ちは、誰かを大切に想った証として現れるものだと考える方もいます。

涙も後悔も、決して弱さではありません。
それらが生まれるのは、
あなたがたくさんの時間と愛情をそそいできたからこそ。

日によって気持ちは揺れ動きますが、
それでも今日を生きているあなたは、とても温かくやさしい強さを持っています。

あの子との思い出は、これからもあなたの中で息づきながら、
少しずつ、穏やかな形に変わっていくのかもしれません。

そのままのあなたで、大丈夫です。

獣医師かわの わいちろう

タイトルとURLをコピーしました