■はじめに
大切な子との別れを経験したあと、
「もう誰とも暮らせない」
「他の子を迎えるなんて考えられない」
そんなふうに思っていたはずなのに、
ふと出会った別の子に心が揺れる瞬間が訪れることがあると思います。
優しい瞳、小さな鼓動、
そばにいてくれるだけで温かさと優しさを感じる存在。
その瞬間、胸の奥に
「この子と家族になりたい」
という気持ちが生まれることがありませんか。
でも同時に、
「これってあの子への裏切りなの?」
「私はあの子を忘れてしまうの?」
そんな葛藤が押し寄せてくることもあるかと思います。私自身がそうでした。
今日は、その揺れ動く気持ちを抱えているあなたへ、
伝えたい想いを書いてみたいと思います。
■あの子は“特別な存在”だったから
先に旅立ったあの子は、
あなたにとって間違いなく“唯一無二の存在”だったはず。
一緒に過ごした時間、
楽しかった思い出、
日々の小さな仕草。
それらは消えることのない、
あなただけの大切な記憶。
だからこそ、
別の子に心が動いた瞬間に涙が出たり、
罪悪感が生まれたりするのは、
とても自然なことなのかもしれないと、私は思うんです。。
■忘れることではなく、「心の中に残り続けること」
次の子を迎えようと感じたとき、
「忘れてしまうのでは?」という不安があるかもしれません。
しかし、誰かを大切に思う気持ちが増えると、
過去の思い出が消えてしまうわけではありません。
あの子との日々は、
あなたの中で確かに存在し、これからも生き続けるのですから。
思い出をしまい込む必要もなく、
無理に区切りをつける必要もないんです。
■誰かに惹かれるのは、愛を知ったから
「他の子なんて考えられない」
そう思っていたのに…
なぜか気になる子と出会う、という事もあるでしょう。
それは、
あの子との暮らしのなかで“愛を知ったから”ではないでしょうか。
大切な存在と過ごした経験があるからこそ、
心のどこかで、
「また誰かを守りたい、共に人生を歩んでいきたい」と感じる瞬間が生まれるのかもしれません。
■罪悪感を覚えたときに思い出してほしいこと
次の子を迎えることは、
あの子への裏切りではなく、
その子がくれたものが
あなたの中に残っている証、私はそう思っています。
あの子が教えてくれた
「優しさ」「つながり」「あたたかさ」。
それらが、新しい出会と
縁を繋げてくれたのではないかと。
とはいえ、
気持ちが追いつかない時期もありますよね。
無理をして次に進む必要はありません。
「また一緒に暮らしたい」
そう思える日が来るまで、
ゆっくり自分の心に寄り添ってあげてくださいね。
■もし新しい子を迎えられたなら
もし、新しい子を迎える日が来たら、
心の中のあの子にそっと話しかけてあげてください。
「ありがとう」
「あなたがいたから、私はもう一度歩けたよ」
そんな気持ちを、
心の中で伝えてあげるだけでも良いと思います。
誰も、あの子の代わりにはなれません。
しかし、新しく出会った子には
その子にしか作れない時間があり、
その子にしか生まれない愛があるのではないでしょうか。
■おわりに
あの子は、
あなたの中でずっと生き続けています。
そして、
あなたがまた笑顔になれる日を
そっと応援してくれているのかもしれません。
だから焦らず、
あなたの気持ちを否定しないで大丈夫。
「この子と人生をもう一度歩んでみようかな」その気持ちは否定せず旅立ったその子と共に、新たな家族と一緒に人生を歩む。そんな人生も良いのではないかと、私は思っているんです。
【福岡犬猫往診クリニック 院長】
獣医師:河野 和一郎(かわの わいちろう)

