できないことが増えても「できる幸せ」は残っている

犬猫の介護

■はじめに

大切な子が歳を重ねていくと、
以前はできていたことが、少しずつ難しくなることがありますよね。

歩くスピードがゆっくりになったり、
大好きだったおもちゃで遊ぶ時間が減ったり、
呼んでも反応が遅くなる日があったり。

そんな姿を見ると、
胸がぎゅっと苦しくなることも、あるかもしれません。

どうしても「できなくなったこと」ばかりに目がいってしまう日も、ありますよね。

しかし──
その子の毎日には、
まだたくさんの「できる幸せ」が残っていることもあるのです。

今日は、そんな優しい考え方、そして見え方のお話しです。


■「できなくなったこと」に心がとらわれてしまう理由

一緒に過ごす時間が長くなるほど、
その子の細かな変化にも、気づけるようになります。

だからこそ、
「前はもっとできていたのに…」
という思いが胸に浮かぶ瞬間が、増えてしまうことがあるのだと思います。

出来なくなってきた、という変化を悲しく感じるのは、
その子を心から大切に思っている証。

その感情が生まれること自体は、とても自然なことなんです。


■「できる幸せ」は、今もそばにある

できないことが増えたように見える日でも、
ふとした瞬間に「できる幸せ」が見えてきます。

ゆっくりでも、ごはんを食べてくれる日。
目が合って、やさしく見つめ返してくれた瞬間。
小さくでも、尻尾をふってくれた朝。

そのひとつひとつは、
当たり前ではない“今の幸せ”として目の前に、存在するものではないでしょうか。

「以前の姿」ではなく、
「今日のその子」を見ることで、今のその子自身を受け入れる事へ繋がると思っています。


■介護は「できる幸せを見つける時間」

介護の時間は、
その子の変化と向き合う時間でもあり、
一緒に過ごせる時間でもあります。

時には大変に感じる日も、あるかもしれません。

しかし、
その子が今できている事に気づいた瞬間、
その一日はふっと温かいものに変わる。

食べたり、眠ったり、
こちらを見上げてくれたり──。

それは全部、
今のその子が見せてくれている、当たり前ではない、大切なサインです。


■ゆっくり変わっていく姿も、その子らしさ

歳を重ねると、
行動も反応も少しずつ変化していきます。

その変化を悲しく感じる日もあれば、
ふとした時に
「今のこの子も、愛おしいな」と思う瞬間もきっとあるでしょう。

過ごしてきた時間が長いほど、
変わりゆく姿も愛おしく感じられる。

大変さと共に感じられる、
優しい尊い時間では、ないでしょうか。


■あなた自身の心も、大切に

介護は、その子のために多くの気持ちを向ける時間です。

だからこそ──
疲れたら休むことも、とても大切です。

思うようにいかない日があっても、大丈夫。
落ち込む日があっても、大丈夫。

その子を大切に思って、向き合っていることは、
きっと伝わっています。

だからどうか、自分を責めずに、
あなた自身の心も、労わってあげてください。


■おわりに

できないことが増えていくように見える毎日でも、
その中には変わらずに残っている「できる幸せ」があります。

今日もそばで眠ってくれること。
ゆっくりでも歩いてくれること。
目を合わせてくれる時間があること。

そのひとつひとつが、
かけがえのない今の姿なんです。

焦らなくて大丈夫。
ゆっくり、あなたのペースで寄り添いながら、
今日もその子と過ごす時間を、大切にしてあげてくださいね。

獣医師:河野 和一郎(かわの わいちろう

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