■はじめに
11月、朝晩の冷え込みが強くなり、
昼間との気温差が大きくなる季節。
そんな時期に、
「あれ、最近咳が増えたかな」
「なんだか散歩で疲れやすいかも」
そのような小さな変化に気づく方も、いるかもしれません。
季節の変わり目は、
体が寒暖差を調整するのが難しくなり、
特に“心臓に負担を感じやすい時期”と言われることがあります。
今回は、
そんな季節の変化と、
大切な子の体調を見守るときに、意識したいポイントを優しくまとめてみました。
■気温差は体にどんな負担を与えるの?
季節の変わり目になると、
朝晩はぐっと冷えるのに、
昼は少し暖かいという日が増えます。
この差が、体にとっては意外と大きなストレス。
人でも「なんとなくだるい」「肩がこる」という日があるように、
犬猫の体も、この変化に影響を受けることがあると、考えられています。
特に心臓に持病がある子は、
気温差によって血管が収縮しやすく、
体を巡る血の流れに影響が出る場合もあります。
「ちょっと息があがる」
「横になって休む時間が増えた」
そんな変化が見られる日が増えたら、要注意。
■寒暖差をできるだけ減らす工夫
季節の変わり目にできるケアとして、
お勧めなのは “温度差を小さくしてあげること”。
例えば、
・朝晩はブランケットで冷えを和らげる
・部屋の温度を一定にする(20〜23℃が目安とされることが多い)
・乾燥しすぎないよう加湿を意識する
こうした小さな工夫が、
その子の呼吸や動きやすさに良い影響を与えることがあります。
「温めすぎず、冷やしすぎず」
このバランスが大切なポイントになります。
■気温差で起こりやすい体の反応
そして季節の変わり目には、次のようなことが起こりやすいと言われます。
① 血管がぎゅっと縮む
冷えにより血管が締まり、血圧が上がりやすくなります。
そのため、心臓がいつも以上に頑張る事で負担が増えてしまうのです。
② 体温を維持するためにエネルギーを消費する
寒い朝に体を温めるには、いつも以上の力が必要です。
その結果、少しの動きでも“疲れやすい”と感じてしまいます。
③ 空気の乾燥
乾燥した空気は、咳や呼吸のしづらさに繋がることがあります。
湿度50〜60%を目安にできると、体が楽になると言われています。
■こんなサインは気づいてあげたい
季節の変わり目に見られやすい小さな変化として、
次のようなものがあります。
☑ 咳が増えたように感じる
☑ 食欲が少し落ちている
☑ 呼吸が早くなることがある
☑ 身体を丸めて休んでいる時間が増えた
こうした変化が続く時は、
「いつもより心臓が頑張っているのかな?」と、気を付けてみてあげて見て下さい。
もちろん、
これが必ずしも“心臓の問題”という意味ではありません。
季節性の変化の場合も、もちろんあります。
■暮らしの中でできる優しい工夫
季節の変わり目に取り入れやすい工夫も、いくつかあります。
・朝の散歩は冷え込みが和らぐ時間帯にする
・水分をこまめにとれるようにする
・寝床を床から少し高くして冷気を避ける
・急に寒くなった日は無理をしない
小さな工夫の積み重ねが、
体へ負担になりにくい快適な生活へ、繋がるのです。
■季節の変化と心のケア
季節のこと、体調のこと、
気になることが増えると少し不安になってしまいますよね。
しかし、
その子のしぐさ、呼吸、食欲、歩き方。
毎日見守っているからこそ、飼い主さんが気づける小さな変化があると、思っています。
その気付きこそが、
とても大切な“ケアの力”の一つになると、私は考えているんです。
■おわりに
季節はゆっくり移り変わっていきます。
気温も湿度も、日々すこしずつ変化します。
そんな時期こそ、
その子の“いつもの表情”や“動き方”を見てあげて下さい。
小さな変化があるかもしれません。変化や異変に気が付いた時は、獣医師に相談してみて下さいね。
獣医師:河野 和一郎(かわの わいちろう)

