はじめに ― 一日の終わり、慌ただしく過ぎていませんか?
仕事や家事を終え、ようやくホッとできる夜。
そのまま勢いで、あの子のお世話をして、片付けて、「さあ寝よう」と慌ただしく終わってしまう日もありますよね…
でも実は、
寝る前のわずかな時間は、あの子との絆を深める大切なひとときでもあります。
たった数分、ゆっくり向き合うだけで、お互いの心があたたまる特別な時間になると、私は思っているんです。
寝る前は「心が落ち着く時間」
昼間に比べて、夜は静かになり、気持ちが穏やかに向かいやすい時間帯。
あの子もあなたも自身も、
「安心したい」「落ち着きたい」
そんな気持ちになりやすい時間に、なるのではないでしょうか。
バタバタした一日の終わりに、
ほんの少しだけ心を向けてあげることで、
あの子の心は、きっと安心すると思っています。
ゆっくり触れ合うことで生まれる“あたたかさ”
触れ合いの時間は、言葉を交わさなくても気持ちが伝わる特別な瞬間です。
名前を呼んだり、背中を撫でたり、穏やかに声をかけたりすること。
それだけで、大切な子の表情や落ち着き方に、変化が見えることがあります。
もちろん、科学的な説明や医学的判断を断言することはできませんが、
多くの人が「触れ合うとお互いに安心する」と感じているのではないでしょうか。
その理由のひとつに、
“オキシトシン”と呼ばれるホルモンが関わっているといわれています。
“安心ホルモン”と呼ばれるオキシトシンとは?
オキシトシンは、
別名「絆ホルモン」「愛情ホルモン」と呼ばれることもある物質で、
人と人、人と動物の間の触れ合いなどで、分泌されるといわれています。
優しく触れることで、
・気持ちが落ち着く
・穏やかな表情になる
・安心しやすくなる
などの変化を感じる人も多いようです。あなたは、大切な子と触れ合っている時、このような気持ちになった事はありませんか?それはきっと、あの子も同じ。
あの子にとっても、
あなたの手の温もりや声は、
安心を感じる大切な一つになっていることがあるのかもしれません。
どうして“寝る前”が特別なの?
夜は、日中に比べて心も体もリラックスしやすい時間帯。
照明を落とした静かな夜は、心も体も落ち着きやすいと思っております。
そんなときに、そっと撫でてもらえると、
呼吸がゆっくりになったり、目を細めたり、体をゆだねてきたりすることも、多くなるのではないでしょうか。。
眠りにつく前に、ゆっくりと触れ合う時間は、
一日の終わりを「安心」で包んであげられるひとときになると、私は思っています。
寝る前にできる小さな“ひと工夫”
忙しくて中々時間が無い…という時、
これなら取り入れてみませんか?
- ゆっくり名前を呼びながら「おやすみ」と伝える
- 背中や首元をゆっくりなでる
- 一緒に深呼吸をする感覚で、短いスキンシップをとる
どれも数十秒から数分でできる、触れ合いです。
これらの触れ合いを続けることで、大切な子との心の距離が、優しく縮まるのではないでしょうか。
あなた自身の心にも変化が
触れ合うと癒されるのは、実は私たち人間側も同じ。
優しく撫でているうちに、
あなた自身の心も落ち着いてきたり、
「今日も一緒にいてくれてありがとう」と感じられたりすることがありませんか?
触れ合いは、お互いの心をケアする時間でもありますよね。
“癒しの時間”は言葉を超えてつながる瞬間
寝る前の静かな空間で、
あの子のぬくもりを感じる時間は、
お互いを癒しあう、優しいひとときです。
言葉で伝えきれない気持ちも、
触れ合いの中で、自然と伝わると思っています。
続けることで育つ“毎日の安心”
一日だけでは変化に気づかないかもしれません。
しかし、
“寝る前のゆっくりした時間”を毎日少しずつ重ねていくことで、
大切な子にとっての安心が少しずつ育ち、
あなたにとっても、大切なルーティンになるかもしれません。
短い時間でも、心の距離がぎゅっと縮まる瞬間がきっと増えていくはずです。
忙しい日も、たった一言で十分
忙しい日があって当たり前。
どうしても余裕がない夜も、もちろんあります。私自身もあります。
そんな日は、
優しく撫でながら「おやすみ」と伝えるだけでも十分なんです。
難しく考えなくて大丈夫です。
大切な子と安心できる時間を過ごす、このように考えてみませんか?
さいごに ― おやすみの言葉が、心の灯りに
寝る前の触れ合いは、お世話の一部でありながら、
お互いにに“心を整える時間”でもあります。
今日一日がどんな日でも、
最後の数分をあの子に向けることで、
穏やかな一日の終わりに、なるのではないでしょうか?
あなたの手の温もりと「おやすみ」の言葉が、
大切な子にとって、何よりの安心になると、私は信じています。
獣医師:河野 和一郎(かわの わいちろう)
