もう一度、あなたに会えるなら

ペットロス

はじめに ― 心の中でふとよぎる想い

「もう一度、あなたに会えるなら」。
そんな言葉が、ふと浮かんでしまうことはありませんか。

私自身、旅立った子達と一緒に過ごした時間を思い返すたび、胸の奥にあたたかな気持ちと少しの切なさが同時に広がることがあります。
抱きしめて「ありがとう」「ずっと大好きだよ」と伝えたい――そんな想いが心の中に残っている方も多いのではないでしょうか。

どのような気持ちも、誰かに否定されるものではなく、大切な存在を想っているからこそ生まれるものだと思っています。


後悔のように見える気持ち ― その奥にあるもの

大切な子との別れを経験すると、

「もっと一緒にいたかった」
「あの時、あの言葉を伝えたかった」

そんな思いが浮かぶ瞬間があります。

ですが、その気持ちの奥には、
“どれだけその子を大切にしていたか”
“どれだけ愛情を注いできたか”
という長い時間が積み重なっているからこそ…

後悔のように感じる言葉は、その子への想いがそれだけ深かったから。


伝えたかった言葉が胸に残る時

「ありがとう」「人生を共に過ごせて嬉しかった」
「ごめんね」「大好きだよ」

さまざまな言葉が、胸の中でずっと生きている、そう感じる事があります。今までたくさん伝えてきたとしても、それでも足りない…

これらのどの言葉も “その子と過ごした、尊い時間の中から生まれたもの”
大切な存在を思い続けてきたからこそ、心の奥で巡り続ける言葉なのではないでしょうか。


今からでも届けられる想いについて

「もうこれらの言葉を伝えられない」と感じることもあるかもしれません。しかし、私はそうは思わないのです。

・写真に向かって話しかける
・小さな手紙を書いてみる
・その子が好きだったものをそっと思い浮かべる

こうした行動の一つひとつが、大切な子へ想いをきっと届けてくれる、そう信じているから。
誰かに見せる必要はなく、うまく書く必要もありません。
たった一言でも、自分の中でそっと言葉にしてみるだけで、心が少しやわらぐこともあると思っています。


自分を責めすぎないでほしい理由

大切な子とのお別れの後、自分を責めてしまう人も少なくありません。

「もっとできたことがあったかもしれない」
「大切な気持ちを伝えられなかった」

そんな言葉が浮かぶこともあるでしょう。

しかし、その子と過ごしてきた日々の中で、あなたがどれだけの愛情を向けてきたか。その子にはきっと、伝わっています。

大事なのは「どれだけ想っていたか」。
その子はきっと、あなたのそばで、あなたの優しさに包まれて幸せを感じていたと思います。


想いはこれからも続いていく

たとえ、言葉として伝えられなかったことがあったとしても、
一緒に過ごした時間、触れ合った温かさ、見つめ合った瞬間――
そのすべては、ずっとあなたの心の中に残り続けていきます。

想いを伝えるのに「遅すぎる」ということはないんです。
今思い出したその瞬間からでも、心の中で話しかけてみるだけで、気持ちがそっと動き出すことがありませんか?伝えたい言葉を、今からでも伝えてみて下さい。

大切な存在との絆は、時間が経っても消えるものではありません。
あなたが思い出すたびに、その子との温かなつながりは、優しく続いていくのですから。


最後に ― あの子へ向けたあなたの優しさ

最後に一つだけ、お伝えしたいことがあります。

あなたが大切にしてきたその子は、あなたからたくさんの幸せを受け取っていました。
寄り添い、見つめ、声をかけ、毎日のように触れ合った時間。
そのどれもが、その子にとってかけがえのない日々だったはずです。

「もう一度会えるなら」と願ってしまうほど、強く想える存在に出会えたこと。
大切な事人生を共に歩んだ時間、それは、あなたの人生の中で温かい宝物として残り続けるのだと思います。

心の中で、いつでも伝えてあげてください。
――「今までも、これからも、あなたが大好きだよ」と。

獣医師かわの わいちろう

タイトルとURLをコピーしました