「運動させすぎて悪化したらどうしよう…」
「でも、まったく動かさないのも心配…」
大切な子に心臓に持病がある。
心配だけど、適度な運動は必要、、、。
でも、あの子の体に負担をかけたくない。
ずっとじっとしたままでいいのだろうか、適度な運動って何?
そんな不安を抱えながら、
毎日の散歩や動き方に、あなたは悩んでいませんか?
結論から伝えますね!
心臓病の子にとって運動は「すべて禁止」ではありません。
大切なのは、
「その子の体の状態に合った動き方を選ぶこと」。
このブログでは、
心臓病の子と暮らすうえで知って欲しい
運動との向き合い方を、やさしく解説していきたいと思います。
心臓病の子にとって「運動」とは何のため?
運動というと、
「体力をつける」「鍛える」というイメージが強いのではないでしょうか?
でも、心臓病の子にとっての運動は、
体を追い込むものではありません。
まず、この運動についての考え方を
頭の片隅に入れて頂けると嬉しいです。
心臓病の子にとっての運動は、
・血流を保つ
・筋力をゆるやかに維持する
・気分転換や刺激になる
・生活のリズムを整える
こうした生活の質を守るための動きが、
心臓病の子にとっての「運動」なんです。
もちろん無理をさせないことが前提ですが、
まったく動かない状態が続くと、
筋力低下や不安感に繋がってしまう事もあります。
だからこそ、
「運動をする、しない」ではなく、
「どのような運動をするか」を考えることが大切だと私は考えているんです。
まずは「今の状態」を知ることから
心臓病といっても、
体の状態はその子によって大きく違います。
・症状
・状態
・病気の進行具合
一般的には、次のような段階で考えると分かりやすいです。
・症状が出ていない段階
検査では心臓の変化が見つかったものの、
普段の生活では特に変化がない状態。
・軽度の段階
症状は目立たないけれど、
検査上は進行が見られ、注意が必要な状態。
・症状が出ている段階
咳や息切れなどがあり、
お薬を使いながら日常を過ごしている状態。
・進行した段階
症状が出やすく、
安静を重視した生活が必要な状態。
まず運動について考えるときは、
今どの段階に近いのかを把握することが必要になります。
あなたの大切な子は、今どの段階に近いですか?
段階を見つけるのは、
難しい場合もありますよね。
その時は無理な自己判断はせずに
獣医師に相談してみて下さいね。
症状が出ていない段階の運動の考え方
この段階では、
普段の様子は元気で、食欲もあり、
見た目にはほとんど変化がないことが多いです。
この場合は、
軽い散歩や室内での遊びは問題になりにくいとされています。
ただし、
・長時間の散歩
・急に走る
・激しく興奮する遊び
こうした動きは避け、
「少し動いて、少し休む」を意識します。
犬猫は自分の意志で「休む」という事が
難しい場合もあります。
動くのが楽しいと、多少辛くてもそのまま動き続けてしまう、
という場合もあります。
だからこそ、大切な子の様子を見ながら、
動く、そして休むという時間を管理してあげるという事が
大切になってくるんです。
そして、、、
呼吸が荒くなる
咳が出る
立ち止まる
こうした様子が見られたら、
すぐに休憩を取りましょう。
そして万が一、運動後に異変を感じたら
獣医師に相談をして下さい。
軽度の段階で気をつけたいこと
軽度の段階では、
見た目は元気でも、心臓は少しずつ負担を感じています。
この時期は、
・散歩の距離を少し短くする
・ゆっくりしたペースを保つ
・気温差の大きい時間帯を避ける
といった工夫が大切です。
「昨日と同じことが、今日もできる」とは限りません。
その日の様子をよく見ながら、
調子に合わせて調整することがポイントです。
「今日の調子はどうかな?」このように考え、
大切な子の様子をしっかりとみていきましょう!
症状が出ている段階の運動との向き合い方
咳や息切れが見られる場合は、
心臓にすでに負担がかかっている状態です。
この段階では、
・短時間
・ゆっくり
・涼しい時間帯
を基本に考えます。
坂道や階段は避け、
歩くとしても平坦な道を選びましょう。
途中で呼吸が荒くなった場合は、
無理をせず、その場で休ませてあげてください。
休ませた後も呼吸が整わない場合は、
獣医師に相談してみて下さいね。
進行した段階では「安静」が最優先
症状が出やすい段階では、
運動よりも体調の安定を保つことが最優先になります。
この時期は、
・室内中心の生活
・排泄のための短時間の移動のみ
が基本になります。
「歩かせたほうがいいのでは」と悩む方もいますが、
無理に動かす必要はありません。
むしろ、無理に動かす事が危険に繋がってしまうケースもあります。
呼吸の様子
横になる姿勢
落ち着いて眠れているか
こうした点を大切に見守ってあげてくださいね。
運動を控えたほうがよい日のサイン
段階に関わらず、
次のような様子がある日は運動を控えるのが安心です。
・呼吸数がいつもより多い
・食欲が落ちている
・咳が増えている
・落ち着きがない
「少しおかしいな」と感じた時は、
運動を控えましょう。
運動よりもその子の体調が第一優先です。
心臓病の子との暮らしで大切にしたいこと
心臓病の子と暮らす毎日は、
「守ること」と「楽しむこと」のバランスが大切です。
無理をさせない。
でも、何もしないわけではない。
その子の体調に寄り添いながら、
できる範囲で動き、
できる範囲で楽しむ。
それが、
心臓病の子にとって穏やかな暮らしを守る事に
繋がるのではないでしょうか?
まとめ|運動は「量」より「向き合い方」
心臓病の子にとって大切なのは、
運動の量ではなく、向き合い方です。
・今の状態を知る
・その日の様子を見る
・無理をしない
・休むことを怖がらない
そして何か異変を感じたり、いつもと違うな、、という時は、
獣医師に相談しましょう。
心臓病の場合は、見た目で状態が分からない場合が多いです。
だからこそ、遠慮せずに獣医師へ相談してみて下さいね。
心臓病は病気と闘うというよりも、
病気を受け入れ共に人生を歩んでいくもの。
日によって体調や状態が変わる事もあります。
だからこそ、無理をしない事が大前提。
獣医師に相談をしながら、
その子に合った運動の仕方を考えて欲しい。
私の願いです。
福岡犬猫往診クリニック
院長:河野 和一郎(かわの わいちろう)

