療法食は可哀想だと思っていませんか?

持病ケア・体調管理

── その選択に、迷っているあなたへ ──

「療法食って、かわいそう…?」と感じてしまう気持ち

「療法食に切り替えたほうがいいと言われたけれど、
なんだか、、、かわいそうで決断できない」

もしかして、このように悩んでいませんか。

大切な子が、
今までと違うごはんを食べることになる。
好きだった味や香りが変わるかもしれない。

その変化を思うだけで、
胸がぎゅっと苦しくなることもありますよね。

「我慢させている気がする」
「楽しみを奪ってしまうようで辛い」

このように思う事は、
悪い事ではありません。

しかし療法食は、獣医師が「その子に必要だからこそ処方をする大切な食事」
になります。

だからこそ、このブログを読んで考えて頂けると幸いです。


療法食は「かわいそう」ではなく「守るための選択肢」

療法食は、
制限をするという事ではありません。

大切な子の体にかかる負担を、
できるだけ小さくするための
ケアの一つの方法になるんです。

特に腎臓に関わるトラブルでは、
毎日の食事内容が
体の状態に影響しやすいことがあります。

「今、何を食べるか」というのは、
大切な子の未来の身体を守っていく、という事に、
繋がるのではないでしょうか。


腎臓の変化は、ゆっくり進んでいくことが多い

腎臓に関わるトラブルは、
ある日突然大きく変わるというより、
少しずつ、静かに進んでいくことが多いと言われています。

だからこそ、
「今は元気そうだから」
「まだ大丈夫そうだから」
と感じてしまうこともあると思いますが、、、

実は少しずつ、進行しているかもしれないんです。

そのゆっくり進んでいく症状に対して、
療法食はとても大切な役割を、持っているんです。


療法食は「治すごはん」ではありません

ここで大切なことがあります。

療法食は、
病気を治すためのご飯ではありません。

体への負担を減らし、
これ以上つらくならないように
支えていくためのケアの一つなんです。

だからこそ、
「食べたら必ず良くなる」
「食べないと悪くなる」
という訳ではありません。

あくまでも、その子の症状や病気に対してのサポートを
食事で行うという考え方になります。

例えば人も、病気になった時には食事内容を変えて、
その症状に合った食事に変える事も多いですよね。

食事改善は直接的に、病気を治すという訳ではありませんが、
・症状の緩和
・症状の進行を緩やかにする
・体の状態を良くする
等、様々な効果がある場合もあるんです。

食べる物で体は作られる、
だからこそ、食事は大切。療法食も大切なケアの一つではないでしょうか。


「食べなくなったらどうしよう」という不安

療法食について、
よく聞かれる声があります。

「切り替えたら食べなくなった」
「残す姿を見るのがつらい」
「かわいそうで続けられない」

このように、悩んでしまう事もありますよね。

しかし、あまり心配しなくて大丈夫です。
療法食には様々な種類があり、工夫する事もできます。

食べてくれない、、という場合は、一人で悩みを抱え込まずに、
獣医師へ相談してみて下さいね。


いきなり全部変えなくても大丈夫

療法食は、
必ずしも“今日から全部切り替えなければいけない”
というものではありません。

・今までのごはんに少しずつ混ぜる
・割合をゆっくり増やしていく
・体調や食欲を見ながら調整する

このような進め方でも構いません。

大切なのは、
無理をしないことです。

無理をしてしまうと、大切な子もそして飼い主さんも
両方にストレスがかかってしまいます。

ちなみに我が家の猫が、療法食に切り替えた際は、
一粒ずつから始めました。

いつものご飯に、療法食を一粒加える。
そして次の日は二粒加える。

このように少しずつ少しずつ、
療法食に切り替えていきました。


ちょっとした工夫で、食べてくれることも

「食べない=合わない」とは限りません。

・少し温めて香りを立てる
・細かく砕いて食感を変える
・水分を足してなじませる

このような工夫で、
実際に食べてくれる子もいます。

毎日のごはんは、
“作業”ではなく
“会話”のようなもの。

様子を見ながら、
少しずつ色々な事を試してみて下さいね。


療法食だけが、すべてではありません

もし、
どうしてもごはんが合わない場合、
諦めないで下さい。

・サプリメント
・お薬
・点滴などのケア

その子の体調や生活に合わせて、
別の方法を組み合わせることも出来る場合がありますので
獣医師に相談してみて下さいね。

大切なのは、
「正解を探すこと」ではなく
その子に合う方法を一緒に考えることです。


「かわいそう」と思う気持ちも、愛情

「かわいそう」と感じる心は、
決して間違いではありません。

それは、
その子の気持ちを想像し、
寄り添おうとしている証だと思っています。

しかし、療法食だから可哀想という事はありません。
少しずつそして無理をせず、
その子に合った療法食を獣医師と一緒に
探してみませんか?


迷ったときは、一人で抱え込まないで

ご飯のことは、
毎日のことだからこそ
悩みが積み重なりやすいですよね、、。

「食べない」
「続けられない」
「これでいいのかわからない」

なんで食べてくれないの、、、?
食べてくれないと焦り、不安になり心配になってしまい、
気持ちが落ち込む事もあるでしょう。

このような時は一人で抱え込まずに
獣医師に相談してみて下さい。

その子に合った食事や療法食を
一緒に考えさせて頂けると嬉しいです。


毎日のごはんは、未来へのやさしい積み重ね

療法食は、
“我慢させるためのもの”ではありません。

大切な子の未来の時間を、
少しでも穏やかに過ごすための
やさしい積み重ね。

食事は毎日の事だからこそ、
「大切に考えていきたい」と、私は考えています。

どうか、
一人で悩みを抱え込まないで下さいね。

食べない時の工夫や試行錯誤のやり方、
そして療法食以外の方法。

その子にとって何が一番良い方法なのかを
一緒に考えさせて頂けると幸いです。

福岡犬猫往診クリニック
院長:河野 和一郎(かわの わいちろう)

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